リスク  沖ななも(2018年6月号)

 

 最近の状況をリスク社会というらしい。

 大雑把に言えば、大きな規模で生命が危険に曝されるリスクが、生活や環境に影響を与える社会ということらしい。

 たとえば環境汚染とか地球温暖化、放射能とか、テロもあるし経済や金融の危機などが入るらしい。そういえば新聞を見ていても毎日のようにどこかでさまざまな「危機」がささやかれている。

 私の生活で言えば年金が減ったり、ひところは銀行が倒産したりして、預金が危うかったこともあった。もっとも経済面ばかりではなく、社会状況には何のリスクも無いという時でも、私自身はリスクばかりの人生を送っているのだが。

 株なんかとても危険だから手が出せない。最近では子どもにも株の売買を教えるべきだという風潮があるらしい。あえてリスクのあるものを教えて、リスク回避を学ぶのだそうだ。なんだかリスクのある教育のような気もするのだが、老婆心だろうか。

 リスクを辞書で引くと、「@危険 A保険者の担保責任」と出ていた。もう一つ英語の辞書で引いてみると「原義:絶壁の間を船で行く→危険に陥る→危険」とあった。危険と言っても具体的ではないので実感がわかないが、原義のほうでみると実景が浮かんでくるから不思議。

 経済も環境も危険に曝されているのが現代であるらしい。つまり現代は、絶壁の間を船で行っているということなのだろう。

 最近のCMだった。「長寿のリスクに備えて保険を……」。すでに長寿はリスクになってしまった。