暑い  沖ななも(2018年9月号)

 

 今年はことのほか暑い。今年は暑い、といっても今年だけなのか、これから毎年こんな感じなのか。

「暑い」だけでは足りなくて「猛暑」という言葉が生まれ、さらに「酷暑」という言葉が生まれた、と思う。言葉はだんだんエスカレートしていくのである。

今年は、その酷暑でもまだ言い足りない気がする。こんどは何という言い方になるのだろうか。

傍らの類語辞典を開いてみる。暑さを表すことだけ拾ってみると「炎暑」「炎熱」「熱暑」「暑熱」「厳暑」「猛暑」「激暑」「酷暑」「酷熱」「苦熱」「極暑」。暑さの厳しい言葉を拾っただけでもこれだけある。ということは日本の夏はいままでも暑かったということに他ならない。今に始まったことではないのだ。

しかし暑い寒いは体感であって、気温の問題ではない。私の子どもの頃は、三十度を超えると今日は暑いと言っていたような気がする。今は三十度と聞くと、まあ問題もないかと聞き流す状態だ。

たとえば「熱暑」と「暑熱」はどう違うのか。「熱暑」のほうは「夏の日盛りのひどい暑さ」。「暑熱」は、「夏の厳しい暑さ」という。厳しいなら「厳暑」は、といえば非常に厳しい暑さと出ている。こうやって意味を書いてみてもとにかく暑いだけで、較べてみてもどちらが暑いのかわからない。

もしかして最初に提示したのが程度の順番なのだろうか。すると「猛暑」「酷暑」はまだ下位で、下位とはいわなくても中位くらいで、さらに上がある。

「酷暑」より暑くなったら何と言うのかとご心配のみなさん。大丈夫まだ上があります。「酷熱」「苦熱」「極熱」。ああまだ続くのか!!